2020/05/11 13:56
◆中高生は貧血のリスクが高い 高校陸上長距離界を牽引するトップチームの先生から、ご相談がありました。エースに貧血の疑いがあると言うのです。練習は順調だったにもかかわらず大舞台で失速したことからそう疑ったようです。 好調時のランナーにかかる負荷の大きさは計り知れません。もし、あなたが人生最速で走ったなら、カラダに及ぼすダメージは人生最大となるでしょう。この選手の場合にも同じことが言えました。絶好調が故に大きな負荷がかかり血液破壊が助長されたのです。 中高生全体で見ても約40%は貧血と言われています。ランナー、ましてや女子選手の潜在的な貧血はこれよりも多くなるのは必至です。 その理由は次の通りです。 1、栄養需要の増加 2、食事栄養の供給不足 3、肉体的ダメージの増加 走り始めて間もない選手は競技能力ばかりが開発されカラダの発達が追い付きません。その歪みが誘因となり貧血を招きます。 中学生から高校生にかけては持久力にのみ顕著な成長が見られます。「走っただけ、速くなる」年頃と言えるでしょう。一方で臓器や筋肉、骨はまだ発達途上にあるため外からの圧力や影響に対して脆いのです。持久力のみが発達してしまった場合、そのダメージを受け止めきれず、血液破壊が亢進します。 ◆エネルギー不足が招く貧血 長距離ランナーは走行距離が長いため消費エネルギー量は他の競技より圧倒的に多いのです。国立スポーツ科学センターの論文によると短距離と長距離選手を比較した場合、総摂取エネルギー量(kcal/1日)には1000kcalもの差が見られました。おにぎり4個分もの差になります。 この差を毎日の食事できちんと補充していれば怪我や故障、貧血のリスクを回避出来ます。もし、埋めることをせずに走り続ければ、真っ先に貧血になるでしょう。エネルギー不足での走行時には組織破壊が絶え間なく行われるからです。その矛先はまず、赤血球へと向かうのです。 成長期の長距離ランナーに発症するスポーツ性貧血の第一要因はエネルギー不足です。よく走り込んでいるトップチームの選手たちは多少のエネルギー切れを起こしても難無く走れてしまいます。そうしている間にも体内では不足したエネルギーを補うため組織破壊(筋肉や血液の分解)が進行しているのです。 小学生から中学生にかけては心肺機能の発達が著しい時期です。走ったら走っただけ強くなれることでしょう。その後、本格的な大人のカラダづくりが始まります。この頃から食事量の不足がカラダに支障を来たし始めます。だから貧血はエネルギー不足のサインであると同時に栄養失調の危険信号に他なりません。 貧血相談を受けた選手には、食事量の増量をアドバイスしました。彼は同世代でも屈指の高い競技能力を有し、さらに質の高い練習をする選手です。また、大人のアスリートへの転換期に差し掛かり始めた年頃でもありました。カラダが必要とする栄養は、彼の一生のうちで一番多い時期です。朝食や昼食のボリュームアップ・バランスアップを心がけてもらいました。 中高生長距離ランナーの貧血改善はまず、食事量の増量から指導しています。なかでも大事なのは朝食です。朝食でしっかり食事を摂らないとすぐにエネルギー切れを起こしてしまうからです。 ◆体づくりの構成素「タンパク質」 血液も立派なカラダの組織です。脳や内臓、筋肉や骨、皮膚や髪等と同様に血液の健康保持にはカラダづくりの栄養素が必要です。 カラダづくりの栄養素を「構成素」と呼びます。「タンパク質」と「ミネラル類」です。貧血になりやすい選手には 1、エネルギー不足 2、タンパク質不足 3、ミネラル類不足 4、ビタミン類不足 という傾向がみられます。 タンパク質不足は食事改善で十分に対応出来ます。具体的には 1、主食(ごはん)をしっかり食べること。 2、主菜・副菜に肉・魚・豆製品を取り入れること。 3、お弁当にはマグロやカツオの角煮など佃煮を入れること等。 豆腐や高野豆腐、納豆などの大豆食品、佃煮、かつおぶし、じゃこなどの魚介食品、牛の大和煮、カツオやツナなどの缶詰、練り物などの加工食品などを細々と利用すればタンパク質は十分に補給出来ます。 ランナーの肉体には私たちの想像以上に衝撃が加わります。それに伴い、血液や筋肉、骨では組織破壊が起こります。しっかり再生させながら、より丈夫な組織をつくるためには十分なタンパク質の摂取が必要です。その目標は「体重×2グラム」。体重55キロの選手の場合、必要タンパク質量/1日=55×2グラム=110グラムとなります。 ※タンパク質の摂り過ぎは危険ですのでご注意下さい。内臓を傷めたり、余分は体脂肪として蓄積されるからです。 ◆ミネラル類の補給はセリアジョブ 一方でランニングのダメージによる組織破壊で失われてしまった鉄分などのミネラル類を補給するのは食事改善だけではとても難しいと言えます。 医師の処方により鉄剤を服用しても、貧血が改善せずに苦しんでいる選手が多いのが現状です。それは鉄以外のミネラル類が不足したまま放置されているからです。 そこで、(1)食事量のボリュームアップと(2)タンパク質摂取にトップランナーに続く第3の貧血対策方法としてセリアジョブを摂取してもらうことになりました。 セリアジョブには3種類の鉄分のほか、造血に必要な亜鉛、銅、セレンというミネラル類とビタミンB群を強化してあるからです。これらを組み合わせることにより、カラダに負担をかけることなく造血能力を高めるための栄養バランスが整います。 これでカラダづくりの栄養素「構成素」のバランスが整いました。 ◆セリアジョブはこちら◆ https://shop.cf-seria.com/items/28548613 ◆後日談 夏に貧血に悩んでいた選手は、その後の食生活の改善をしてくれました。タンパク質と鉄分を補うために、毎日マグロのフレーク缶詰を食べていたそうです。その甲斐もあり、県高校駅伝、トラックの記録会、全国高校駅伝とチームのエースとして大活躍。今後、一体どのような活躍をしてくれるのか、とても楽しみです!! この記事は下記のセリア通信をまとめたものです 「貧血」〜その取り組みと成果 https://cf-seria.com/melma_2017/melma_2020_645.html 「貧血」〜その取り組みと成果2https://www.cf-seria.com/melma_2017/melma_2020_646.html 「貧血」〜その取り組みと成果3https://www.cf-seria.com/melma_2017/melma_2020_647.html