2020/05/14 13:11

(1)過敏性腸症候群

 

 春には激しい緊張や不安から自律神経の働きがたかぶり進み下痢や便秘を引き起こす選手が増えます。この症状を「過敏性腸症候群」と呼びます。

     

 男性選手には突発性の激しい下痢症状が見られたり、慢性的な下痢や軟便に悩むケースが多いです。一方、女性選手は圧倒的に便秘が多く、長引くことで悩み苦しむ選手も珍しくありません。


 激しいストレスを感じると脳から腸へ信号が送られます。外敵から身を守るために身構えるのです。体内の異物はすべて排泄してしまい、余分なものは取り込ませない。下痢も便秘もそう指示されて発症しているのです。

 

 腸はヒトの免疫系の最前線を任されています。だからストレスに真っ先に反応します。また、腸が防御を固めていると脳の緊張状態も続きます。長引く下痢や便秘の裏にはストレスの悪循環が潜んでいるのです。


 腸の大事な働きの1つが神経伝達物質のセロトニンの生成です。食事で摂取した必須アミノ酸のトリプトファンから作られます。トリプトファンは肉や魚に多く含まれている栄養です。これらの良質なタンパク質を摂取しないとセロトニンが不足してしまいます。


 セロトニンは通称「幸せホルモン」とも呼ばれています。脳をリラックスさせ、幸福感を抱かせる成分だからです。腸の働きが鈍くなると、このセロトニンが不足します。そのため脳がリラックス出来ず、緊張状態が解けません。


 ストレスがきっかけで発症した過敏性腸症候群は腸の働きが鈍くなることによって更に悪化し、長引いてしまう傾向があります。


 これらの症状の緩和には、負の連鎖を腸から断ち切り、心を解きほぐしてあげる必要があります。


 そのためには、


 1、起床後、すぐに日光を浴びる。

 2、肉や魚などのタンパク質食品をしっかり食べる。

 3、お味噌汁・ぬかみそ漬け・ヨーグルトなどの発酵食品を食べる。

 4、野菜や果物をしっかり食べる。

 

 なかなかお腹の調子が整わない方、お試し下さい。


(2)疲労骨折


 骨の成長にはビタミンDが必要です。血中のカルシウムやリンの濃度を調整し、丈夫な骨をつくるためには欠かせない栄養です。不足すると骨や歯の成長が不十分となります。日光に当たると体内でも作られますが、秋から春にかけては日照時間が短く、ランナーは皆、厚着となるので、不足しやすいようです。


 寒い季節は体温を一定に保持するためにたくさんのエネルギーを燃やします。そんなカラダの欲求に身を任せ、ついつい炭水化物や脂質の多い食品ばかりを摂取していると、体重ばかりが増え、ビタミンDが不足。骨の成長がおろそかになってしまいます。


 このように日光浴不足と食事のかたよりが重なるとビタミンD不足を招き、骨の成長を妨げます。また、体重の増加が骨への負担となり疲労骨折のリスクが高まります。この状態での無理はあまりにも危険です。


 こんな選手は疲労骨折に気をつけて下さい。


 1、ご飯や餅、パンやめん類などの炭水化物系食品が大好きだ。

 2、魚介類をほとんど食べない。また、シイタケが苦手だ。

 3、どちらかというと色白で、冬はほとんど日光に当たらない。

 4、春先はいつも体重オーバーに悩んでいる。

 5、乳製品をあまり食べない。

 

  疲労骨折のリスクを軽減させるため、まず、余分な脂肪を燃焼させ、

 骨への負担を軽減させましょう。それには起床直後のL・S・Dが有効です。


 ※脂肪燃焼についての詳細はこちらを参照して下さい。

 https://www.cf-seria.com/melma_2017/melma_2020_652.html

 

 次に、カラダづくりのトレーニングを慎重に行いましょう。本格的なスピードトレーニングやペース走を行うために必要な筋力や筋持久力を養います。きつくて、辛くて、しんどい基礎練習を積み重ねる。それが大事です。


 骨を丈夫にするために必要なビタミンD。それが豊富な食品を積極的に食べ、丈夫な骨を作りましょう。イワシ、サンマ、サケなどの魚介類をはじめ、干し椎茸やキクラゲなどのキノコ類に多く含まれる栄養です。油に溶ける「脂溶性ビタミン」なので、炒め物やソテーにすると吸収効率が高まります。


(3)かくれ貧血


 酸素を運搬するヘモグロビンは正常値の範囲内なのに、体内に貯えている鉄分(フェリチン)が著しく低下した状態を指します。ランナーが思うように走れず受診して血液検査を受けても、この状態で貧血と診断されることは殆どありません。ただ、明らかにパフォーマンスが低下し、本来の走りが出来ません。


 主な症状はスタミナ切れとスピードダウンです。それまで難なくこなしていた練習がいつになくきつく感じられるようになります。日が経つにつれてペースアップすら困難となり、遂には思う様な走りが出来なくなってしまいます。


 春先にかくれ貧血が多く見られる理由は次の通りです。


 1、生活環境の変化及び季節の変化による自律神経系の乱れ

 2、自律神経系の乱れに伴う消化不良

 3、炭水化物の摂り過ぎ

 4、急激で無理なダイエットによる栄養不足

 

 こんな選手は気をつけましょう。


 1、生活環境が変わる人

 2、緊張すると体調を崩しやすい人

 3、競技レベルの高いチームへ進学する人

 4、ごはんやパン、めん類をついつい過食してしまう人

 5、スナック菓子を食べ始めると止められない人

 6、洋菓子や菓子パンが大好きな人

 7、ジュース類・スポーツドリンクを飲み過ぎている人

 8、朝食を抜いている人

 9、外食やコンビニ食が多い人

 

 2つ以上当てはまる選手は要注意!


 食事栄養バランスを崩しやすくまた、消化吸収も不安定になりやすいため

 知らず知らずのうちにかくれ貧血になりやすいでしょう。


 かくれ貧血の予防・改善には食事栄養バランスの見直しが必要です。まず始めにタンパク質やミネラル類を豊富に含む肉類や魚介類、豆類や豆製品をしっかり食べましょう。毎日、毎食摂るのが理想です。栄養がたっぷり補給され、カラダに余裕が生まれたら鉄の貯金(フェリチン)が増え始めます。その上でセリアジョブを使うのがベストです。

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 中高生の約半数近くが潜在的鉄欠乏状態、いわゆる「かくれ貧血」ではないかとも言われています。かくれ貧血か否かは血清フェリチン量で調べます。一般的な採血検査では測定されませんので、血液検査時に申し出て下さい。


 これまでご相談を頂いたケースではヘモグロビンが平常値の範囲内にも関わらずフェリチンが20未満に下がるとパフォーマンスの低下が顕著でした。かくれ貧血の目安になると考えています。


 日本人にはお正月休みをきっかけに栄養バランスを崩す傾向が見られます。そうしたちょっとした油断がかくれ貧血を生むのです。ご注意下さい。


(4)ストレス


 もし、嫌いな人が近寄ってきたら、あなたは、どうしますか?少し身構えてしまうことでしょう。カラダも同じです。外敵(ストレス)から身を守るためについつい身構えてしまいます。


 進学や就職など、環境の変化などもあって、ストレスで身構えてしまい体調不良に陥ってしまう人がいたら、ためらわずに声をかけてあげましょう。

 

 ◆解消法その1、相談する◆


 ストレスはココロとカラダにひずみが生じた状態です。それを解放させることが何より大切です。何だかおかしいなと思ったら、まず相談しましょう。仲間や家族でもかまいません。優しい先輩がいたら相談しやすいですね。出来れば監督、コーチにも正直に伝えてみましょう。どうか1人で抱え込まないで下さい。

  

 ◆解消法その2、食べ物を選ぶ◆


 ストレスで真っ先にやられるのが胃腸です。弱った胃腸に優しい食べ物を選んで食べましょう。

 胃腸に優しい食べ物は

 1、お味噌汁

 2、煮物類

 3、発酵食品(漬け物類・ヨーグルト・甘酒など)

 4、野菜、果物、イモ類

 

 などが良いでしょう。一品をたくさん食べるより、少量ずつでも多品目にするとお腹が落ち着きます。


 ◆解消法その3、ココロとカラダを解放する◆

 

 趣味の時間を大切にしましょう。好きなことに熱中出来れば、ココロは解放されます。散歩やジョギング等、外へ出るのも良いですね。

 

 過度のストレスから緊張が続くとビタミンCを消耗し抵抗体力が低下します。ストレスを感じやすい人はビタミンCの補給をおススメします。

 

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(4)体脂肪の増加


 太っているとか、むくんでいると悩んでいる選手にお話を聞いてみると次の様に答える方が多いんです。


 1、ご飯はせいぜいお茶碗半分くらいしか食べません。

 2、お菓子も清涼飲料水も口にしません。

 3、夕飯ではご飯を抜いています。

 4、皆んなより小食です。

 5、冷え性です。


 このように自ら食事制限を課していて、とても辛い毎日を送っていることが分かります。


 陸上長距離選手の運動量はスポーツの中でも1、2位を争うほど豊富です。それを支えるためには十分なエネルギーが必要です。ここで疑問が生じます。なぜ、それだけ運動し、厳しい食事制限までしているのにカラダがしぼり切れないのでしょうか?

 

 もし、スマホのバッテリーが残り少なくなったらどうしますか?省エネモードに切り替えますよね。カラダの中でも同じことが起こります。運動に使えるエネルギー量に限りがあるとカラダを守るために消費を抑えるのです。筋肉の出力レベルが下がり、省エネモードになります。

  

 食事量を減らし飢餓状態になると生命を維持するためにエネルギーを溜め込みます。守りに入ったカラダは代謝も下がるため食事量が少なくなっていても脂肪が付きやすくなるのです。

 

 過度な食事制限が続くと筋肉もやせ細ります。脂肪を貯めやすく燃えにくいカラダになり、カラダは冷え、むくみやすくなります。

 

 長距離選手はもともと省エネタイプの資質を持っています。だからこそ間違ったダイエットはぜったいに止めましょう。しっかり食べてハイパワーが持続出来るカラダへ変身させて欲しいのです。そのための手順は次の通りです。


 1、よく食べ、よく寝て、よく運動する

 2、練習の質を高める

 3、体幹を強化する

 4、ビタミンB群を上手に摂る

 5、タンパク質をしっかり食べる


 良い練習が出来るようになれば、思うように走れることでしょう。その頃には体重は気にならなくなります。


 厳しい食事制限で省エネタイプのカラダになった方パフォーマンスが低下し、カラダも冷えやすい方、体脂肪やむくみが気になる方はエネルギー代謝を高めるビタミンB群を積極的に補給しましょう。

 

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