2020/05/20 13:44

◆無月経の人がエネルギー不足を解消するために

  

 国際オリンピック委員会が定めるエネルギー不足による無月経の改善法は


 1、最近の摂取エネルギー量に300〜600kcal/日を加える。

 2、トレーニング量を適正にする。

 3、トレーニングや食事に関するストレスに対処する。

 

 以上の3項目となっています。


 エネルギー不足による無月経を改善するには食事量を増やすことと、トレーニング量を減らすことを並行して行なう必要があることになります。


 女性アスリートの3つの症状(エネルギー不足・無月経・疲労骨折)を防ぎ、改善するために必要な糖質摂取量のガイドラインを紹介します。中高生の部活動では朝夕合計で1〜3時間、中〜高強度トレーニングを毎日行なっています。体重1kgあたりの糖質摂取目安量は6~10g/kg 体重/日となります。

 

 体重45kgの女子選手の場合、ジョグや補強など軽めの練習メニューなら6gx45g=270g/日の糖質が必要ということになります。1日にお茶碗約5杯分のご飯が必要になります。ペース走やビルドアップなどハードな練習を行なった場合は10g × 45kg = 450g/日ですから1日にお茶碗約8杯分のご飯が必要です。


 ※お茶碗1杯に150g(糖質だと56g)のご飯を入れた場合で糖質量を算出しました。

           

 これを参考にして糖質摂取量を自分で調整してみて下さい。アスリートであるならば毎食1杯以上のご飯は必要です。その日の練習メニューや走行距離などを考慮して量の増減を調整すると良いでしょう。自分のカラダやコンディションを考えながら上手に増減することが出来たら体調も安定します。

  

 ◆健康で、丈夫で、強くなる


 「 競技力の向上 = 運動 + 栄養 + 休養 + 教養 」

 

 競技力の向上を目指して誰よりも練習するには健康で、丈夫なカラダとココロが必要です。痩せれば速くなる、強くなるというのは弱い心のすき間に入り込む、人間のもつ生理学を無視した悪い幻想に過ぎません。


 本来健康であるはずの女性アスリートの皆さんにこそ正しい食生活習慣を身に付けて欲しいのです。そう願って女性アスリートと健康をテーマに取り上げました。如何でしたでしょうか。


 ぜひ、チームで、ご家庭で、話し合ってみて下さい。もし、健康上の不安などがありましたら、遠慮なくご相談下さい。お電話・メール、お待ちしております。