2022/07/27 16:32

暑くなってくると増えてくるのが”貧血”に関する相談。持久系の運動ができない(すぐにペースが落ちる)ほか、筋肉がつくられない、故障からの治りが遅い、ボーっとする、憂鬱な気分になる等、様々な弊害があります。

スポーツ選手に多い貧血の原因は次の通り。

1.    必要エネルギー量不足

2.    タンパク質不足

3.    ミネラル、ビタミン不足

4.    内臓疲労

5.    精神的ストレス

(スポーツをしない一般の方でもこれらが当てはまることがあります)

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。


1.必要エネルギー量不足 ≈ ごはんの量が不足している?

意外かもしれませんが、スポーツ選手にとっての貧血の原因で最も多いのが “必要エネルギー量不足”なのです。鉄分不足ではありません。

食事制限や無理なダイエット、偏食や欠食などにより栄養バランスが崩れ、運動量に見合ったエネルギー補給がされないと、血液や筋肉を分解してエネルギーを生成します。その状態が続いた結果、血液や筋肉が痩せ細り、貧血や故障を招いてしまうのです。

【ポイント】

1日3食、十分に食べましょう。特にごはんに多い炭水化物は運動をするための燃料、車でいうガソリンです。長時間ドライブの時はガソリンたくさん入れるように、たくさん運動する前はたくさんごはんを食べるようにしましょう。

運動後も体内のエネルギーが空っぽになっているので、はやめに炭水化物を摂取するようにしましょう。朝練後の栄養補給も忘れずに。

*注意1:玄米はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富でとても良さそうですが、デトックス効果があり、鉄分吸収を妨げます。貧血予防改善の際は避けたほうが良いでしょう。発芽玄米、雑穀米は大丈夫です。

*注意2:パン派の人もいるかもしれません。ごはん同様にエネルギー源となりますが、脂質が多いため血流を悪くし、疲労や故障の原因になるかもしれないので、食べすぎには注意しましょう。菓子パンは特にその傾向が大きいのでNGです。

*注意3:お菓子やスイーツ、ジュースなど砂糖を使ったものも糖質ではありますが、代謝の過程で多くの鉄やビタミンを消耗します。スポーツドリンクも同様です。摂り過ぎにはお気を付けください。


2.タンパク質不足 ≈ 肉や魚はしっかり食べてる?

血液や筋肉などカラダ作りに必要な栄養素がタンパク質です。肉(牛、豚、鶏)や魚、大豆製品、卵、乳製品に豊富です。

運動で傷ついた筋肉や血液の修復にもタンパク質が必要です。不足すると、それらがどんどん削られて

筋肉が痩せ細る→故障の原因

血液(赤血球)が破壊される→貧血の原因

となってしまいます。

【ポイント】

タンパク質が豊富な食品は毎食、食べましょう。上に書いたもの以外に煮物、佃煮、練り製品、かつお節、魚の缶詰もオススメです。

*注意:レバーはタンパク質と鉄分が豊富ですが、摂り過ぎるとビタミンAの過剰摂取で体調を崩してしまうのでお気を付けください。


3.ミネラル・ビタミン不足 ≈ 血液づくりをサポートする栄養素
血液をつくるための工場を動かすために必要なのが、ビタミンとミネラル。これらを摂るにはごはんや肉魚はもちろん、野菜や汁物、果物など栄養バランスが整った食事が必要です。暑くなると胃腸が疲れて炭水化物中心(口当たりのよいソーメンやアイス等)になりがち。ビタミンやミネラルが不足しやすいことから疲労が溜まったり、貧血になりやすくなります。
【ポイント】
栄養バランスは整っていますか?主食(ごはん)、主菜(肉魚卵)、副菜(野菜、汁物)、乳製品と果物が揃った“栄養フルコース型”の食事はできていればOKです。

4.栄養が吸収できていない? ≈ 内臓疲労の可能性
ちゃんと食べているはずなのに貧血になる場合、消化器官が上手く働いていない≈内臓疲労になっているのかもしれません。運動のしすぎや運動後の油もの(揚げ物等)は内臓疲労の原因になります。
【ポイント】
消化器官への負担が小さい食事(脂が少ない料理、煮物、具沢山の汁物など)を摂ると良いでしょう。よく噛んでゆっくり食べるのも有効です。

5.ストレスが溜まっている ≈ 鉄分を吸収できていない?
 鉄を始めとするミネラルは本来カラダにとって異物であり有害です。それゆえ、カラダが弱っていたり、ストレスを感じているときは鉄分が吸収し辛くなります。これもちゃんと食べているはずなのに貧血になる理由の1つになります。
【ポイント】
よく寝る、スマホやテレビをみる時間を減らす(特に寝る30分前)、音楽を聴く、散歩をする、友達とおしゃべりする、お風呂でくつろぐ等、自分にあうストレス軽減方法を実践してみましょう。

6.基本的な生活習慣の徹底
 起床、就寝、食事の時間。これらは一定になっていますか?これら生活習慣を毎日(平日・休日関係なく)一定にすることで、カラダのリズム・調子が整いやすくなります。胃腸も働くようになり、栄養の吸収も上手くいくようになります。